第1章【何を基準にイッたってわかるんやろ】イッたの定義
1.何をもってしてイッたと言えるのか
オーガズムってそもそもなに?って言うところからになりますが、辞書や論文などオーガズムを定義している文献などはネットで検索したらいろいろ見つかります。
その中でも、施術をしている時に「イッたよ!」とお客様にお伝えできる内容とピッタリの言葉を見つけました!!それは
『性的反応が最高潮になった時点で、緊張した神経筋が弛緩すること』※1
という定義です。
こちらは女性のオーガズムについての文献ですが、男性の深いドライの時も、男女のレクタルオーガズムの時も、オーガズム時の反応は同じです。
私の中ではスっと落とし込めた定義でした。
時は少し遡り、初めてドライオーガズムという言葉(原理?いい言葉が見つからない)を知った時、何をもってしてイッたと言えるのかとても気になりました。
それを説明出来る人が当時まわりにいなかったのもあるし、それを知ったとしても、このお店では使えないし、何になるんやという感じでした。とりあえずメインはそこじゃないから穴るは長くて10分くらいでいいから〜って教わってました。(^^;
ドライについて本気で知ろうと思ったのは7年ほど前になります。明らかにイッてる反応で咆哮に近いくらいの声でジタバタしてるのに、
- 自分はイッてない。
- そこまで気持ちよくない。
- どうなったらイッたって言えるん?
- 前立腺がイクとかあるん?
と仰るお客様に沢山出会ったことからです。
たしかに…。
それを説明出来やんまま人の穴る触るとかちょっと無責任やなって考え始めました。
受け手さんがイッたと認識する基準や定義みたいなものはなんなんやろか??と、なんだかんだかれこれ15年以上考えています。
感じ取れる人はいいんです。
それって自分の体の変化や反応に敏感だから認知出来るってことじゃないですか?
私がやっていることは、店名にもある通り『良くしていく』ことなのですが、みんながそれを自分で認知出来るなら、開発する人はお仕事無くなっちゃいますよね。(^^;
興味本位で知った事だとしてもなぜこうなるのか分からないからそれを知りたい人が私を含め沢山いるわけです。
自分の性格上なぜこうなるか?を理解しないまま、なんとなくの感覚で何かをする事が苦手で、仮に私がお客様の立場であれば、そこをしっかり説明出来る人に自分の身体を任せたいと思うだろうなと考えました。
感度を受け取り上手な人も受け取りベタな人も、自分の身を心から任せられる環境が整ったということは、感度を受け取る準備が出来たと同じ事を意味していると思います。
この定義を元に、イッたときの身体の反応や脳のなかでどんなことが起こっているかを書いてみたいと思います。
2.身体でイッたの定義
身体のイッたを説明する時、男性の射精はとてもわかりやすい反応ですよね。
まず先に快感を認知し、イッた後に精液が出て、ちゃんとイッたという確信になるわけです。
この時、前立腺は最も降りていて前立腺全体が反応しています。
前立腺が降りてくるという意味が分からない人はこちらの記事を読んで下さい。
では、ドライオーガズムはどうかというと
射精時と同じくらい前立腺は降りていますが、一部だけが反応しています。
一部とは前立腺小室というところです。
知らない方は、これを機にぜひやってみて欲しいです。
前立腺小室とは、男性子宮とも呼ばれていて子宮の名残りと言われています。解剖図には載ってるものと載ってないものがあります。今まで色んな講習に行ってきましたが、講習で使われる解剖図には載っていないものが多かったです。そもそも解剖図を使わない講師もいましたし、載っていたとしても小室からのドライを教えている講師は私が知る中で1人だけでした。
強制的にこれがドライですよって説明する時は予め射精してしまうのではないかというくらいまで、ゆっくり丁寧に降ろしてから小室だけをしっかり反応させるのです。
これはお店で働いている時からずっと隠していた荒技なのですが、もう特に隠す必要も無いので正直に書いちゃいます。反応させてその感度を時間内に何度も繰り返すと勝手に認知していきます。
前立腺がピンポイントで反応している間はずっとドライになっている状態です。見えてない部分を触っていても「今イってますよ」ってお伝え出来るのは小室の場所から指を外さない技術があるからです。そして、一度イキ終えると前立腺は少し戻ります。わざとこちらからイキ終わらせる時もあります。これを私はイキ終わりと呼んでますが、それを細かくそのお客様に合ったペースで繰り返して行くと、感度のグラフがギガ定額プランの図のようになっていきます。
ポイントは感度がどんどん上がって最高潮になった時に、収縮するのではなく弛緩しだします。私がイッたを定義するならこの時が本域のオーガズムだと思います。
イッたことを説明出来ない人が多いのは、
- 射精とドライの仕組みを理解していない。
- 小室をきちんと触れていない。
- どこが反応しているのかがわからないから、いつイッてるのかがわからない。
この三つに原因があります。
そして、ドライがよくわからないと言うお客様はだいたいの確率で深いドライまできてからイッたと認識出来ることが多いです。いつどこを触るかでオーガズムの深さも変わってきますが、ここでは一般的な前立腺での深いドライについて書いています。
3.脳が認知するイッたの定義
ここからは脳科学的な説明になっていきます。
ドライオーガズムの知識がある方や開発に特化している方はここも押さえている方が多いかもしれないですが、出来るだけわかりやすく書いていきたいから難しい表現は使わないようにしていきます。
知りたい方がいらっしゃればこの先も読み進めて頂けたら嬉しいです。
まず、脳内には情動(喜び、笑い、悲しみ、恐怖、不安、怒りなど)を感じて、記憶して、その情報を次に活かしていく仕分けをする部位があります。
嫌な経験は繰り返さないように避けていくし、良い経験は何度でも味わいたくなるように出来ています。
その中でもイクという感覚に特化した部位があります。その部位を反応させるには何種類かの神経伝達物質が必要で、そのホルモンが出た時に反応するようになっています。イクというのはドライや射精などに限らず、ホルモンが出るか出ないかが基準なのです。
そして、それを受け取れるチャネル(受け皿)が出来ているかどうかでも、感度の大きさは変わっていきます。
人によって感度の進みに違いがあるのは、必要な栄養素が満ちているか、ホルモンが出やすいか出にくいか、充分な酸素が送られているか、によって感度が伝わる速度や量に違いがあるからです。
ちなみに脳でイッてるかどうかを確実に調べるにはMRIなどで活動部位を特定するしかないので、厳密には脳イキをしてるかどうかの判断は施術側は断定出来ません。なので受け手さんの感覚や体表などで判断するしかないですが、感覚を検証できる仮説はまだありません。それが本当に脳イキなのかは受け手さんのみぞ知るという感じです。むしろ、それが本当の脳イキなのかも検証して証明する事が出来ないのが現状です。でも、目を見ただけでイクとかカウントダウンでイクとか号令でイクとか…確実にあの反応はイッてる反応ですけどね。(^^;
話をもどします。感度の受け取り上手、受け取りベタの違いは普段から自分のお世話をどれだけちゃんと出来ているかで大きく別れます。
決して感度が鈍いからイケない訳ではなく、こういう理由も加味して感じ取りにくいだけということです。
そういう人は一貫して他の情動反応にも鈍いです。
なぜなら、一つ一つの電気信号が弱いからです。
[重要!]って書いとる手紙が届いたけどもやな、なんや読もう思たら字の色薄いわ線細いわ所々消えてるわでこんなモン読まれへんやないか!おお?…○○を受け取ってくれ…?って書いてあるような…書いてないような…
こないだもこんなん来とったな。
ポイ⌒Ο
(゜⊿゜)
脳みそはこんな感じになっているかもしれません。
このままだと脳は何度送られてきても[重要!]な内容を理解できず、処理できないままになってしまいます。
ですが、ちゃんと睡眠を取って、ちゃんと栄養を取って、適度な運動をしていれば細胞はまたどんどん作られていきます!ということは……。
[重要!]なお手紙も今度はちゃんと読めるはず(^ω^)
4.体の中で何が起きているのか
では身体の中で何が起きているのかということですが、脳に信号を送る機能に密接しているのが身体の中の神経細胞になります。
神経は身体中に分布していて脊髄を通して脳と繋がっています。
どの部位がどの刺激に反応しているかで感じ取る神経は違うけど、ドライオーガズムは陰部神経が反応して脳に情報を送っていると言われています。
脳に届いた情報は処理された後、司令情報として返します。
陰部神経からの情報:
のうみそさんへ
前立腺がきもちよいれす〜。( ᐙ )
脳からの司令:
ぜんりつせんさんへ
それではホルモンいっぱい出しますのでイッてくらさい。(^^)
ぜんりつせん:
うおーーーーーー!……/////૮,´﹃`,ა
みたいな感じです。
これで理解出来た人は、本当に素晴らしい地頭をお持ちの方だと思います。
だんだんふざけだしたから、ちゃんと書きます!
この情報交換は神経を通じて脳と交信されるのですが、必要になってくるのが栄養素です。
基本的にはタンパク質やビタミンB、カルシウム、グルタミン酸、リン酸などがよく言われてますが、その他にも沢山の栄養素がそれぞれを助け合って効能を発揮しているので、これとこれだけを取ればいいってものではありません。
結局マクドとかラーメンとかコンビニ弁当とかそういうのばっかり食べてると補えない栄養素なんですよね。
人間の身体では作れない栄養素をサプリで摂るという手段もありますが、あれはあくまで栄養補助食品なので基本的な食生活のなかで足りない分を補うという考えで摂取するものです。
食べ物から栄養を吸収するのは、きちんと内臓を動かすという意味でも栄養を摂るという意味でも大切です。
太陽を浴びないと作られないビタミンもあるし、しっかり寝ないと作られないビタミンもあります。
もちろんそれを補うサプリもあります。だけども
自分と対話しながら大切にお世話をしていく。それが本当の自己管理です。
自己管理と聞くと、ストイックなアスリートみたいに聞こえる人もいるかもしれませんが、ただ自分のお世話を丁寧にしてあげるだけです。今日はよく頑張ったね!だから自分をゆっくりお風呂に浸からせてあげよう!とか、美味しいご飯を食べさせてあげよう!とか、髪をキレイに整えてあげようとか、そんな所からで大丈夫です。
丁寧にお世話をして、感度のチャネルが増えると、もっといろんな方法でイケるようになります。感受性も豊かになるので受け取り上手になっていくというわけです。
自己管理をきちんとすることは、穴る開発に限らずに高次脳機能といって必要な情報を処理して上手く生きていく為の機能を整えることでもあります!
長くなりましたが、健康とはいろんな事に繋がっているのです。
健康な身体があってこそのなんちゃら〜
ってよく言いますよね。
私もみんなのことをもっと良くする為に、日々勉強します!なので皆さんも受け取り上手になる練習を今日から少しずつ取り入れてみてくださいね〜(^ω^)
*第1章のまとめ
こんなにもボリューミーになってしまいましたが、結論としてはオーガズムの定義はされているが、イッた感覚を検証できる仮説はまだないということでした( ´・ω・`)
だけど、感度の受け取り上手になれる秘訣は満載だったでしょ??
本当はドライオーガズムについてはこれで終わってもいい内容です。そのくらい本質に迫っているし、自分が新人の頃に丁寧にこれを教えてくれる人がいたらもっとM性感で働くのも遊びに来てくれるお客様も楽しかったやろなあ〜とめぇーっちゃ考えながら書いた内容です。
誰かの参考になればほんっとうに嬉しいです!!
つぎは2章に進みます。
これに懲りずまた遊びに来てください(^ω^)
ではまた。
引用文献
※1 Kinsey. A., Pomeroy, W., Martin, C., & Gebhard, P. 1953. Sexual Behavior in the Human Female. Phila-delphia: W. B. Saunders.